平棗にお茶をはいたときに身についた大切なこと

今週の稽古で、日曜日と土曜日の生徒さんに 全く同じことをお伝えたした面白い出来事がありました。薄茶器や茶入れにお茶を入れることを「お茶をはく」と言いますが、薄茶器にお茶をはく場合、茶器の種類によってはき方に違いがあります。普段一番に使っている利抹形や下張り棗(なつめ)などは、こんもりとした「山形」に丸くはき、雪吹・中次・茶桶などは、杉の木のように山の峰をとがらせたような 三角錐の「杉形」に、また平棗・割り蓋茶器などの丈が低い薄茶器の場合には、山の峰が縦一文字になるようにはきます。

今月の稽古では平棗を用意したので、平棗の「お茶のはき方」をお勉強してもらいたく、お茶の入った缶と平棗を生徒さんにお渡しし、抹茶をご自分で棗にはくことをお願いしました。普段一番に使っている利抹形棗とお茶のはき方の異なる平棗は山の峰を縦一文字になるようにお茶をはく必要があるので、そのことをお伝えました。

そうすると生徒さんは一生懸命に一文字になるように抹茶をはいてくれています。一文字の峰を少しずつ水屋用茶杓で調整しています。微調整、微調整、一生懸命です。一生懸命がんばった生徒さんに「棗の正面を確認してから入れましたか」と尋ねると 土曜日の生徒さんも日曜日の生徒さんも 同様に「あっ!」と同じ反応をしました。お二人とも器の正面を確認していませんでした。

普段の稽古から、お道具はよく全体を見て一番美しい正面を確認することと、お伝えしていますが、新しいことに挑戦=平なつめの一文字!! で頭がいっぱいで、まず第一にお道具を拝見して正面を確認する動作がすぽっと頭から抜けてしまっていたようです。 

缶にすべてを戻して一からやり直し、「あっ!やってしまった!」この気づきがお稽古です。今回も小さいことですがひとつ学んでくれたのではないかと思います。お茶を綺麗にはくことも とても大切なことですが、お道具をよく見ること、「基本の基本」を繰り返しの稽古を通してしっかりと身に着けていきたいですね♪

それではまた、ごきげんよう^^

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