「お薄のお茶椀は客が飲み終わった後は亭主に返し、亭主がその茶碗を半尺の湯で洗い流し茶巾でよく清め その茶碗に抹茶を入れ次の客に点てる」、これが本来のお薄の流れなのでですが、残念ながら新型コロナウィルスの影響で、稽古場でお茶をいただく際は 頂いた茶碗は一人ずつ水屋で洗い清めることが当たり前の作法になっています。お薄はもちろん、お濃茶も一つのお茶椀を一席の客同士で廻し飲みすることが、現在は叶いません。
稽古ではこれまで通り全員分のお濃茶を練り 正客にお濃茶をお出しして挨拶を終えたタイミングで、先生が茶碗を一反回収、お一人ずつ別々の茶椀にスプーンで均等に取り分けるという・・、本来のお濃茶の意味合いとほど遠いやり方で頂いています。
そして戸山町教室でもお濃茶を積極的にお勉強していきたいと思っていたところ、叔母であり私の茶道の師から素敵な数茶碗を 頂きました。陶芸家であり表千家の茶人でもある椿 巌三(つばきいわみ)先生 の作品です。椿先生は 栃木県茂木の山頂に自ら住いと登り窯を作られて数々の素晴らしい作品を作られています。
数茶碗は大寄せの茶会の場合に、 主茶碗 替茶碗 (主客・次客)は亭主が点てますが、それ以降のお客様には 水屋でお茶を点て出して運び出します。その際に使用する揃いの茶碗のことを数茶碗と言います。頂いた箱には「粉引茶碗 拾客」と書かれています。とても素敵なお茶椀で、教室で濃茶を取り分ける際のお茶椀に使っていこうと思っています。白い釉薬できれいにお化粧された粉引の茶碗、お濃茶がきれいに映えること間違いなしです。教室の稽古で皆さん使ってくださいね。
↓下記写真は日本橋三越で作陶展を開催されたときに伺った際の写真です。素敵なお茶椀、花入れが多数展示されており、椿先生の奥様が美味しいお抹茶をいただく機会もありました。
それではまた、ごきげんよう^^