お茶室の前方、道具を置く道具畳の前方にそっと存在している「風炉先屏風」。「風炉先」と略して呼ぶことが多いですが、風炉先には道具畳としてのけじめ、部屋を引き締め、道具を引き立ててくれる大切な意味合いがあります。
私が使っている風炉先「桑縁 上透 裏白角縁 独楽繋」は、縁が桑の木で角ばっていて、上部が透かし、裏面は柄がない白色の和紙で、表と無地の裏面両用できます。表の文様は、独楽が意匠されており 永遠に回り続ける独楽が何重にも重なっている目出度い紋様になっていて、地色の深緑色もお茶室の雰囲気に馴染んでくれているのでとても重宝しています。
風炉先は、炉の時期でも風炉の時期でも一年を通して使えるお気に入りをまずは一つ持っていれば十分かと思います。また風炉先は広間(四畳半以上のお部屋)で使うものですので、小間 (四畳半より小さいお部屋)では基本的に使いません。広間のお部屋でお茶をされる方のみご用意ください。サイズは江戸間と京間があります、ご自宅の畳に合うものを選んでください。
種類としましては、上部写真のように上部透かしのあるものをはじめ、上部透かしのない総張のもの、梅などの透かしが入っている板張りのもの、葦や 網代 で作られた夏の季節に合うもの、様々あります。あまり凝った細工はされておらず季節問わず使えるものばかりですので、道具が映えると思ったお気に入りの風炉先をぜひ見つけてみてください。私は花を入れて楽しむ「花風炉先」が気になっていて、「いつの日か手に入れたいお道具リスト」に入れています。
風炉先は得てして背景のような役割になっていしまいがちですが、風炉先ひとつでがらりと茶室の雰囲気を変える力があります。お茶会などに行かれたら風炉先まで余すことなく拝見して楽しんでくださいね。みなさんにとって素敵なお気に入りの風炉先と出会いますように。
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