同門4月号を読みますと、猶有斎宗匠が二条城の観桜茶会での野点席のことにふれ、桜の花びらが舞い散るなかでいただく一服のお茶を なんとも風情があって良いものですねとおしゃっています。(なお、残念ながら今年も二条城観桜茶会については、新型コロナ感染の状況を鑑み一般参加形式での開催を見送られています。)
野点はいつ始まったものなのでしょうか・・
その野点は、いつに始まったものかは定かではないようです。しかし秀吉の戦いに随行した利休が、松の枝に雲竜釜をつり、履き集めた松葉で火を起こし湯を沸かして茶会をしたという話があったり、利休が神社参詣の帰路に下鴨の川端で竹に小釜をかけて、茶箱で茶を点てたという話が残っています。
釣釜の季節に登場する旅箪笥も 利休が考案し、秀吉の北条攻めの際に持参したと言われています。
屋外でお茶をたててみましょう
野点とは、野外で茶を点てること、およびその茶会のことを言います。
古くは野山に出て遊ぶ野遊びのことを野がけと称していたため、「野掛」(のがけ)とも言ったり、「ふすべ茶の湯」(ふすべ=燻べ=落ち葉や枯れ枝で火をくべて湯を沸かす)とも言ったようです。
現代の野点では、茶道具が一通り仕組まれている 旅箪笥・茶籠・茶箱等の携帯用のものを使用したり、立礼の点前で行われます。
野点に大切なことは、場所の選択と清浄感です。場所と清浄感に心をくばり ご自分のお気に入りの屋外スポットを見つけみましょう。
利休は 松の木陰や川べり・芝生などの「清らかな場所」を選んで行うよう、加えて「主客の心も清浄潔白を第一とす」と、そこに集う一同の心が清浄潔白であること述べています。
お茶をしている私たちは、稽古場や自宅だけではなく、ぜひ今年は野外で一服お茶を点ててみましょう。水筒に熱湯を入れていけば、十分に美味しい一服ができますよ。
場所に趣向を凝らすところに楽しみと面白みがあります。お一人で楽しむも良し、大切な人に一服差し上げるのも良し、桜は終わりつつありますがこれから迎える美しい新緑の季節、ご自分にとっての最高のスポットを見つけて 野点をお楽しみください。
それではまた、ごきげんよう^^