茶道に欠かせない「灰づくり」を学ぶ機会として、新宿駅西口からほど近い新宿青松園で「灰造り研究会」が開かれました。
茶の湯における灰は、炭を支え、湯を穏やかに沸かし、茶室の空気を整えてくれる大切な存在です。
灰をどのように作り、どのように育てていくのか——。茶の湯の原点に立ち返り、「灰づくり」の意味を改めて見つめ直すひとときとなりました。
🌿 灰造り研究会の記録 〜新宿青松園にて
この日は、青松園社長の丁寧なご指導のもと、灰づくりの基本を体験しながら学びました。
灰の扱い方や灰汁の抜き方、そしてその絶妙な加減まで、ひとつひとつの工程を大切に教えていただきました。
🌿 灰造りを行う目的と背景
現代では、電気やガスでお湯を沸かすのが当たり前になり、炭で湯を起こし、灰を整える光景はほとんど見られなくなりました。
けれども、灰づくりには「火を扱う心」が息づいています。
手間を惜しまず、灰と静かに向き合う時間の中に、茶の湯の本質がそっと宿っているように思いました。
🌿 現代では希少となった灰づくりの取り組み
実際に灰づくりを教え続けている茶道教室は、全国でもごくわずかです。
特に、指導者のもとで実践的に受け継がれている例は、たいへん貴重です。
新宿青松園では「灰造り研究会」として、継続的に取り組みを行っており、こうした場を通じて、茶の湯の原点を次の世代へ伝えてくださっています。
🌿「茶の湯は灰作りに始まり、灰作りに終る。」という言葉
「茶の湯は灰作りに始まり、灰作りに終る。」
そのときの灰を拝見すれば、その方の茶の湯の考え方や力量もわかる——とも云われています。
この言葉のとおり、灰の扱いを見れば、その人の茶の湯の心がそのまま映し出されます。
灰は、茶人の心を映す鏡のようなもの。
風炉や炉の中の整った景色の中に、その人の思いやりや暮らし方が、静かに表れていきます。
🌿良い灰とはどのようなものか
良い灰をつくるには、時間と手間、そして心の落ち着きが欠かせません。
どのような灰が良いのか——古くから次のような条件が伝えられています。
第一に、炭が程良く起きること(炭そのものが良いこと)
第二に、形が作りやすいこと(速やかにできること)
第三に、味があること
第四に、断熱の効果が大きいこと
炭の種類は、できるだけ「くぬぎ炭」であることが理想です。
形が作りやすいとは、やわらかく、速やかに灰を整えられること。
そして、味がある灰とは、見た目の美しさだけでなく、使う人の心と手が年月をかけて馴染んでいる灰のことを指します。
🌿 灰を“育てる”ということ
良い灰は、一度作って終わりではありません。
永い年月をかけて、少しずつ“育てていく”ものです。
まるで人の心が年月を経て円熟していくように、炭もまた、ゆっくりと美しい灰に育っていきます。
茶道教室 結空では、この「灰を育てる」という考えをとても大切にしています。
炭を使い、湯を沸かし、「時間と手間を惜しまない稽古」を積み重ねること。
それが、茶の湯の原点に立ち返るひとつの道だと感じています。
🌿 結びにかえて 〜今後〜
回の研究会では、灰を“育てていく”ということについて、改めて多くの気づきを得ました。
今後は、良い灰を保つための工夫や、茶事での灰の整え方なども、少しずつまとめていきたいと思います。
灰が美しく整っていれば、炭も、湯も、そして茶の心も穏やかに澄んでいく。
灰とともに歩む茶の湯の時間を、これからも大切に記していきたいと思います。











