新緑がまぶしく、若葉の香りに満ちる季節となりました。
茶の湯の世界では、今月から「風炉」の季節へ。
冬の炉を閉じ、軽やかに風炉を迎えるこの時期は、茶室の空気も一段と明るくなります。
私の通う稽古場では、風炉初めに合わせて「七事式・数茶稽古」を行いました。
畳を歩く音、季節の花、そしてお茶の香りの中に、茶人のこころを育む時間が流れています。
🌿 風炉の季節のはじまり
風炉(ふろ)は、5月から10月と、夏の点前の象徴です。
茶室に風が通い、炭の香がやわらかく漂うこの季節は、
心を軽やかに整え、自然と調和する喜びを思い出させてくれます。

🌿 七事式とは
七事式(しちじしき)は、茶の湯の精神と技術をみがくために考案された稽古法で、
数茶(かずちゃ)、廻花(まわりばな)、廻炭(まわりずみ)、且坐(さざ)、茶カフキ(ちゃかぶき)、一二三(いちにさん)、花月(かげつ)の七つからなります。
江戸時代、表千家七代・如心斎によって制定され、裏千家八代・一燈宗室らとともに伝えられてきました。

🌿 数茶稽古の魅力
七事式のひとつ「数茶(かずちゃ)」は、十種香合を用いて行う式法です。
客それぞれが絵の異なる札を持ち、札元が取り出した札と同じ絵の札を持つ客が薄茶をいただきます。
数茶の魅力は、一期一会のめぐり合わせにあります。
お茶を受け取る順番や、共に一服する相手は、偶然に委ねられます。
その「めぐり」に心を委ねることで、思いやりや謙虚さが自然と育まれていきます。

🌿 結びにかえて
季節が移り、風炉の音が響きはじめると、
不思議と気持ちも軽やかに、茶の湯を新たな心で迎えたくなります。
数茶稽古は、互いに敬い、譲り合う心を学ぶ場でもあります。
日常の中にも、茶の湯の心を静かに灯していけたらと感じます。









