畳の縁を踏まない4つの理由 畳の縁はご先祖様の顔??

日本人である私達は畳の縁や敷居は踏まないようにと子供のときに教わりますが、なぜ畳の縁は踏んではいけないのでしょうか。少しだけまとめてみました。

①畳みを傷めないため
畳の縁や角は畳の中では一番弱く壊れやすい部分です。強く踏むことで歪みもうまれ、結果として痛みも早くなるなってしまうのを防ぐためといわれています。また植物染めをされた絹や麻を縁に使われた畳は、繊細で破れ易く、自然染めしたせっかくの色がおちてしまうので高価な物が傷んでしまうのを嫌い、出来るだけ縁を踏まないようにしていました。

②家紋が施されているため
皇室関係や武家、商家では、畳縁に格式を重んじて家紋を入れる「家紋縁」が使われていたため、
家紋の入った畳縁を踏む事は ご先祖や親の顔を踏むのと同じ事とされてきました。
紋縁以外にも動植物の柄など、生き物や植物をテーマとした柄も多く 生き物や草花を踏みつける事は極力避け 「心優しく静かに歩きましょう」と言う躾になっています。

③境界線
聖地と俗世を隔てる結界、亭主と客をわける境界線 といわれています。お茶の世界では その境界線を踏むことは許されないとされています。

④命を守るため その名残。
畳の材料と厚みは 弓矢の的受けにも使われているように 例え槍で突いても突き通す事は出来ませんが、それにひきかえ畳のへりや角の部分は弱くて壊れやすいといわれています。
敵に狙われ畳の下に忍び込まれたときには、畳の合わせ目の縁を狙って刃物を突くようにしていたようです。そのため戦国時代の武士は、畳の縁上や縁側には座らないようにしていた、その名残といわれています。

ちなみに畳縁は、現在プロの方でもすべては把握できない 数千種にも及ぶ数があるようです。
一般的に無地物は絹、麻、綿 天然素材なので高級品、柄物は化繊のためお手ごろ価格だけど丈夫で長持ちと言われています。天然素材のなかでは 綿縁だけはごく少数柄物は用意されていて、化繊縁は無地がないこともないですが 柄物がメインに作られています。どちらを選ぶかは家主の好み次第。
自宅でも伺ったお家でも 畳の縁を踏まない 心配りをしましょう。

それではまた、ごきげんよう^^

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